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佐藤 伸准教授

専門科目:バイオマス変換学、応用微生物学

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キノコの分解力を応用して
ゴムの再資源化をめざす

キノコが持つ特殊な分解力を応用して、タイヤのような加硫したゴムの再資源化をめざしています。
材料と菌のうまい組み合わせはすぐに見つかるものではなく、ここにたどり着くまでに5〜6年、そして、キノコが何をしているかということを発見するために3〜4年と、長い年月トライ&エラーを繰り返しながら研究を行っています。実は、キノコを工業的に使う研究はいろいろなところから注目されています。現在は、民間企業と一緒に未来を見据えた共同研究をしています。

いかにトライ&エラーするかが
成功にたどり着く近道

ゼミでは学生たちと、キノコの分解メカニズムの解析、そしてゴムが再資源化するプロセスの開発、この2つを同時に進めています。研究は山あり谷ありでうまくいかないことも多々ありますが、学生には失敗してもすぐに結論を出さず、なぜダメなのかを徹底的に考えて、うまくいく方法を模索する習慣を身につけてほしいと思います。
これはスポーツも同じですが、どういうフォームで練習すればいいか、うまくいかない場合はどうすればいいか、コーチの指導だけでなく自分で考えながらやることが大切です。自分なりに答えを見つけることはこれまでになかったかもしれませんが、いかにトライ&エラーをするかが成功にたどり着く近道だと思います。

ゴムの再資源化をめざし、
アップサイクルへ

この研究の面白さは、誰もやっていないところにあります。世界でも類を見ない唯一無二の研究であり、すべてがオリジナル、先例のないパイオニアだといえます。
研究の目標は、まずはゴムの再資源化を達成することです。その次の段階としては、キノコで処理することで初めて生まれるようなゴムの機能を見つけていきたいと考えています。これはアップサイクルという、新たな価値を付与するリサイクルの形です。できればそうした材料を開発して、会社でその再生ゴムを製造・販売したり、そこで学生が働いたりというようなところにまで持っていければ、理想であり最終的な到達点だと考えています。

先生からのメッセージ:2023年1月撮影