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佐藤 彩子講師

【専門】地域経済学、経済地理学

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活性化している地域と
そうではない地域があるのはなぜ?

地域経済学、経済地理学では、地域特性や地域の諸条件の違いが地域の発展や維持にどのように関係しているのかを解明します。例えば、全国的に人口減少が進む日本において、例外的に人口が増加している地域が存在します。これは「人口減少」という1つの現象が地域によって異なる事象を生み出すことを示唆し、人口増加の要因をその理由となる取組みや制度、文化や規範等をもとに考察していきます。また、地域の実態を詳しく知ろうと思えば、「フィールドワーク」が必要です。ただこれを充実したものにするには、既存統計の分析や既存研究の渉猟等を通じて、地域の現状を把握する力が必要です。このような力も身に付けられるよう、指導していきます。

人口が増え続けている離島「海士町」。
そこでは、何が起こっているのか?

こうした調査でよく取り上げられる地域に、島根県の離島「海士町」があります。「海士町」は、島根半島の沖合約60kmに位置する隠岐諸島の1つである中ノ島にあり、本土から船で片道2〜3時間かかる「条件不利地域」です。それにもかかわらず、10代後半から20代の若者、子育て世代が多く流入しています。その多くはIターンによるものですが、その理由を現地で調査すると、島の高校に特色あるカリキュラムを設けて日本全国や海外から入学希望者を受け入れる、島に産業を創出する等、住居と仕事を提供することで、若い世代の定住を促進していました。文系の研究は考え方や価値観を時代の流れに合わせて置き換えていくことに意義があります。こうした事例に多く触れることで、新しい価値創造に貢献できる人材に育ってほしいと思います。

フィールドワークを通して
困難を乗り越える力を養う

研究室での経験を通して学生の皆さんに身に付けてほしいことは、行動力、高いコミュニケーション力、他者と協働する力、論理的思考力です。特に社会に出ると、性別、年齢、国籍、職業等、多様な人と接することになり、一人でできることには限界があるので、こうした多様な人たちと信頼関係を築くことのできる力は必要です。フィールドワークはこうした一連の力を総合的に養うことのできるよい機会です。地域の課題は多種多様で、正解はありません。困難なこともたくさんありますが、一度の失敗ではめげない精神力をもって研究に取り組み、乗り越える喜びを感じてください。

先生からのメッセージ:2021年1月撮影