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倉持 裕彌准教授

【専門】地域社会学、まちづくり論

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地域社会の本当の姿を
知ることが大切

山間部の集落では人が減り、住民の共同によって維持してきた仕組み(自治会や農作業など)がなくなってきています。こうした集落の将来は不透明です。街なかの商店街も元気がなくなっています。私たちのような地域に根差した大学はこうした場所に対して何かしら役立つことを求められていますが、簡単ではありません。私の専門に関して、確実にお手伝いできることの一つは住民の意識も含めた現状把握です。実はとても奥が深く難しい作業です。

▲阿蘇地域の視察

人口の増減や産業の衰退は
世界の動きともつながっている

ゼミでは、まず地域社会の成り立ちについて学びます。どのような制度や政策があって今の姿になっているのか、丁寧に掘り下げていきます。人口の増減や産業の衰退の背景には、国の政策や世界の経済の動きなどがあります。例えば商店街はこれまで少なくとも20年以上に渡って様々な活性化の取り組みを行ってきました。しかしながら状況を好転させることは難しいようです。理由としてインターネットの普及や大規模店舗といった買い物手段の変化があるわけですが、それを支えている道路や通信などのインフラは、生活基盤として国や自治体が整備してきました。その甲斐あって人々はより便利で快適な手段を選択できるようになり、買い物場所としての商店街が選ばれなくなってきています。

批判的に物事を見よう
自分が使える資源をフル活用しよう

学生の皆さんにはよく、「批判的に物事を見よう」「常識を疑え」と話しています。例えばまちづくりの成功事例の話を聞いたら、成功という評価を切り離して事例を捉える視点を持ってほしいと思っています。研究とは少し離れますが、何かの機会でつながった人との縁は大切にしてほしいとも思います。ゼミ生の中には、ゼミ活動で出会った方に就職後にも縁があり、再会したというケースもありました。学生生活では、自分が使える資源はフル活用してほしいと思います。研究室に入り浸るのも、先生の知識や人脈を有効に使うことも、大学生の特権です。

先生からのメッセージ:2021年2月撮影