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𠮷田 高文教授

【専門】経営財務論、企業経済論

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会社とは何か、人々の幸せに
どう関わっているのかを考える

私の専門分野は金融(英語ではファイナンス)です。経営を学ぶ際の4つの要素である「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」のうち、カネの部分を担う領域です。といっても、ただお金の計算をするだけでなく、「そもそも会社とはどのようなものなのだろう」を考えていきます。会社がどのような仕組みで成り立ってきたか、それが私たちにとって何の役に立つのか、そして人々の繁栄、もっといえば幸せにどう関わっているのかを追究します。先行きがわからない世の中を生きていく上で、どのようにリスクを回避したりコントロールしたりすればよいか。これを考えるのもファイナンスの領域です。例えば、「保険」は、大航海時代に人間の夢をのせた経済活動の中で社会的な制度として出来上がってきました。会社制度も長い歴史の中で人々の役に立つものとして発展してきたはずです。そういった良いところをきちんと理解して、うまく活用していくことを研究しています。

何かを手に入れるためには
必ず犠牲(コスト)を払っている

ゼミでは具体的な企業事例研究を行っています。例えば、いったん業績が悪化したものの見事にX字回復を遂げた外食企業がどんな戦略をとったのか、かかったコストをどのように吸収したのか、などを見ていきます。あるいはメーカーとコラボして環境に配慮したものをデザインしたり、売り方を考えたりすることもあります。企業経営にとってコスト(原価)を考えることは、とても大切なことです。学生にそれを理解してもらうために、授業にはゲームによる経営シミュレーションも取り入れています。原価を経済学では「犠牲」といいます。例えばアルバイトをすると、給料はもらえますが、勉強やデートの機会は失っています。つまり何かを手に入れるためには、必ず何か犠牲=コストを払っているわけです。これを「機会費用」といいます。そう考えると、人間は一分一秒を大切に生きていかなければならないと思えてきませんか?

お金の流れから世の中を見れば
社会の仕組みが見えてくる

このゼミでは、お金の流れから世の中を見ていきます。お金は一カ所にとどまっていても意味がなく、動かしてこそ意味が出てきます。例えば銀行に貯蓄していても、それは企業に投資されて世の中に回っています。お金の流れを知ると、自分がどのような社会で生きているのかが見えてきます。皆さんもきっと、学生時代にアルバイトを経験するでしょう。アルバイトを通してコミュニケーション能力が養われたという話はよく聞きますが、少し経営的な部分にも目を向けてみてください。1日どれぐらいの売上があって、客単価がどれだけで、コストや利益はどうなっているか…。そういった部分にも関心を持ちましょう。また、常にアンテナを張り、日々刻々と入ってくる情報を大切にしてほしいと思います。そうやって日々の観察力を上げてください。

先生からのメッセージ:2021年1月撮影